[Webマーケティング羅針盤]
ホームページをできる営業マンにする基本(6) アクセス解析の重要性
さて、今週は再びアクセス解析のお話に戻りたいと思います。アクセス解析の
活用方法として、訪問者の動向を追跡するお話をしようと思っていたのですが、
具体例で説明できるちょうど良い素材が登場しました。いちにのさん.comです。
先週、いちにのさん.comをリニューアルをしました。ホームページを良い営業
マンにするためのツールを、より身近に感じて頂くために、デザインからサイ
ト構成までの大幅なリニューアルを行いました。
リニューアル後に気になるのはやはり「思惑通りの結果を生んでいるか?」と
いうことです。予想通りにいかないことも多々ありますから、リニューアル後
にも徐々に修正を加えていきます。そして、こうした検証に役立つのが、アク
セス解析という訳です(弊社で開発した「いちにのアクセス解析」を利用して
います)。
注目すべきは「訪問者が想定した動線を辿っているかどうか」です。旧いちに
のさん.comで私が気になっていたのは「いちにのアクセス解析」に関するペー
ジがあまり読まれていないということでした。様々な要因が考えられますが、
ページの作りに問題があることも考えられましたから、リニューアルでは次へ
次へと読み進みやすいような工夫を採り入れました。
「いちにのアクセス解析」の機能の一つに、訪問者の動き(ページ遷移)を視
覚的に捉えることができる「訪問者追跡」があります。この機能を利用するこ
とで「いちにのアクセス解析」に関連した訪問者の動きを確認することが可能
になります。すると、以前よりは動きがスムースになっているものの、ひっか
かりやすいページを発見しました。それは「事例」のページです。
訪問日時 ページタイトル
----------------------------------------------------------------------
2002-12-23 09:29:44 いちにのアクセス解析
↓
2002-12-23 09:30:16 いちにのアクセス解析 - アクセス解析とは
↓
2002-12-23 09:30:59 いちにのアクセス解析 - 事例
----------------------------------------------------------------------
(実際の画面表示とは若干違います)
このようにして「事例」のページで去ってしまっている傾向が強いことが判明
しました。さらに調査をする必要もありますが、ここに「ページが読みにくい」
「ページが長すぎる」といった何らかの原因があるのではないかと考えること
ができます。私のTo Do Listには「事例ページ要検証」が加わりました。
ちなみに「いちにのアクセス解析」と比較して「いちにのプレスリリース」は
誘導がうまくいっています。
訪問日時 ページタイトル
----------------------------------------------------------------------
2002-12-23 01:18:05 プロモーション
↓
2002-12-23 01:19:47 いちにのプレスリリース
↓
2002-12-23 01:20:50 いちにのプレスリリース - プレスリリースとは?
↓
2002-12-23 01:21:06 いちにのプレスリリース - どんな時に有効か
↓
2002-12-23 01:21:42 いちにのプレスリリース - 申し込み
----------------------------------------------------------------------
(実際の画面表示とは若干違います)
この流れは私が想定したものと限りなく近いものになっています。ページタイ
トルを見ると分かると思いますが、訪問者がきれいにページを辿っています。
このように、訪問者の動き(ページ遷移)を知ることは、とても重要なことだ
ということがご理解頂けるのではないかと思います。
ところで「アクセス解析は無料のもので十分」という記述を見かけることもあ
りますが、ある目的を達成するためだけに限れば、それも一理あります。検索
エンジン最適化など、
・どこから来ているのか
・どんなキーワードで検索されているのか
といったことを知るだけであれば、確かに無料のアクセス解析で十分だと言え
ます。しかし、貴社のホームページ本来の目的はアクセスを稼ぎ出すことだっ
たでしょうか。資料請求、メールマガジン登録、物販など、何らかの成果が求
められているのではないでしょうか。検索エンジン最適化が注目されています
が、あくまでも“アクセスアップ”は手段の一つです。目的と手段を間違えて
しまうと、とんでもないことになってしまいます。
貴社の目的はなんでしょうか? 見込み顧客につながる資料請求であれば、訪
問者について、
・どこから来たのか
・どんなキーワードで検索されたのか
・最初にどのページにやってきたのか
・どの順番でページを閲覧したのか
・どこで去ってしまったか or 資料請求のページまで辿り着けた
などは、必ず分析する必要があります。顧客の動線を想定し検証することは、
通常の店舗運営の基本です。ホームページも同じです。ただ残念ながら、ここ
まで考えて運営されているホームページというのは必ずしも多くはありません。
アクセスが増えた/減ったに一喜一憂しているのが現状ではないでしょうか。
私たちがこれほどまでにアクセス解析の重要性を訴え、営業的な視点から使え
るアクセス解析ASPを開発したのも、そこに理由があります。アクセスログは宝
の山、解析しなきゃ、もったいないですよ! という気持ちなのです。まずい、
ちゃんとアクセス解析しなきゃ! と思って頂けたら、今回のコラムを書いた
甲斐があったというものです。
《おまけ》
他にも、このような活用をしています。
・既に無くなっているページへのリンク修正を依頼した
「移動しました」というアナウンスページを設けアクセス解析を行い、そこに
来ているリンク元にページが変わった旨の連絡をしました。ページランクも顧
客も逃しません。
・Google AdWordsからの訪問者の動向を調査
有料の優良顧客ですから、その動向は見極めなくてはなりません。トップペー
ジを見ただけで去ってしまう傾向があることが分かり、より分かりやすい誘導
方法を検討中です。
P.S. 2002年は大変お世話になりました。みなさんにとって有益な情報をお届け
できたでしょうか。2003年はさらなる飛躍の年にしたいと思います。良い年を
お迎えください。
2002.12.25