[Webに効くおクスリ]
処方箋:レモンとアピールポイントは“しぼる”
我が家の近くに、ある焼肉屋があります。
特に大きくてきれいな店というわけではないのですが、週末ともなると必ず満
員状態。予約をしないとほぼ入れないとのこと。そんな状態ですので、私もま
だ入ったことはありません。
その店に行ったことのある妻に、何が美味しいのか聞きました。
すると間髪入れず、
「あそこはねー、とにかくタン! 私、あの牛タンがあれば他はいらない」
と力説。
なるほど。とにかく絶品の牛タン、なんて聞くと無性に行きたくなりませんか?
もし「カルビもミノもハラミもタンもレバーもロースもハチノスもすごく美味
しいよ」と言われても、「へぇ」で終わったでしょう。他の部位を差し置いて
牛タンにピントを絞ったことで、本当にそれが美味しいのだと伝わったわけで
す。“しぼる”ことで牛タンを美味しく感じさせるのは、レモンだけじゃない
んですね。
ちなみに実際は他の肉も抜群に旨いそうです。
さて、ホームページも同じです。
多くの会社は、いろいろな顧客ニーズに応えるために、サービス内容や製品を
増やしていきます。しかし、ホームページ上でそれらを全て並列でアピールし
ようとすると、ピントのぼやけたサイトになってしまい、結果的にどのニーズ
にも応えられないという結果に陥ってしまいます。
人は一度に多くの物を認識できません。
例え魅力がたくさんあったとしても、伝えるときはいくつかに絞り、何が特徴
なのか、どこに強みがあるのかすぐに分かるようにしてあげることが重要です。
また、テーマの絞られた専門性の高いページほど検索エンジンには評価されや
すい傾向にあるという話もあります。加えて、アピールするものを絞ることで、
ニーズのはっきりしている顧客=成約する可能性の高い顧客と出会う確率も高
くなります。
ホームページでの営業と集客、両面でメリットがあるわけですね。
あれもこれも伝えたい、と欲が出てしまうのは人の常ですが、あえて強みのあ
るところだけにピントを絞る。ホームページの構築や改善の際には、ぜひその
あたりも意識してみてください。
2007.11.28