[Webに効くおクスリ]
効能:企業ブログの失敗を防ぎます
SEOのしやすさや更新作業の容易さから、近年、企業サイトにブログの仕組
みを利用するところが増えているのは、皆さんもご存じでしょう。企業ブログ
やビジネスブログと呼ばれるものです。
その利用法について大きく2つに分けると、
◎社長ブログやスタッフブログなど、読者とのコミュニケーションを促進する
手段としての利用法
◎ブログの更新システムを純粋にCMSとして利用し、一見ブログに見えない
ようなサイトを構築する利用法
があります。
さて前者の利用法に関して、気になる記事を見つけました。
▼SEOmoz | Reasons Why Corporate Blogging Fails(英語)
http://www.seomoz.org/blog/reasons-why-corporate-blogging-fails
▼企業ブログが失敗する7つの理由 | Web担当者Forum(日本語訳)
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2007/04/02/1117
書かれてある内容をまとめてしまうと、つまりブログはあくまで読者(顧客)
とのコミュニケーションが目的であることを忘れてはいけない、ということが
書いてあります。
逆に言えば、コミュニケーションメディアとしてのブログの特性をよく理解し
た上で、柔軟に運用する能力がなければ、企業ブログを導入しても意味がない
のです。
その上でまず心がけることは、記事を書く担当者の人柄や個性が見えるように
すること。自分の言葉で書くことで、読者とのコミュニケーションが促進され、
ひいては自社や自社製品のファン形成につながるわけです。
例えば、いわゆる“お堅い”企業が「流行だから」という理由だけでブログを
導入したとします。更新担当者は上司から「あれは書くな、これは直せ」と言
われてげんなり。個性の埋没したつまらないブログになっていくのが目に見え
ます。そうして書かれたプレスリリースのような硬い文章や広告のようなあざ
といPRばかりの記事は、ブログにはマッチしません。
また、誰がいつ書いたものなのか、というような最低限のことが明記されてい
ないブログも、コミュニケーションが促進されない原因になるでしょう。これ
らはブログのセオリーや特性を理解せずに導入してしまったことから起こるミ
スです。
自社でブログを運営されている方、思い当たる節はないですか?
「柔軟」と「適当」とは全く違います。読者からの意見を受け入れる度量を持
ちつつ、発信者としては「ブログもメディアの一つ」という認識と緊張感を常
に持って運用していく必要があるのです。
現在、ビジネスにおけるブログ活用はまだまだ発展途上といえますが、いろん
な活用事例が出そろった時期でもあります。まずは普段からいろんなビジネス
ブログに目を通し、その特性やメリット・デメリットを実感してみてください。
そして、目的達成の手段としてブログが本当にマッチしているか、社内に更新
を任せられる担当者はいるか、会社全体の理解はあるか、よく検討してくださ
い。それが企業ブログ成功への第一歩ではないでしょうか。
2007.05.23