[Webに効くおクスリ]
処方箋:店名や商品名 ネット向きのネーミング
地元で雑誌のライターをやっていたころ、必ず訪問先のお店や商品について、
まずインターネットで下調べをしてから取材に行くのが私のスタイルでした。
検索フォームに店や商品名を入れて、クリック――そうすれば事前にいろんな
情報を持って取材に臨めるわけです。もちろん、ライターとしてはその情報を
鵜呑みにしてはいけないのですが、かなりお世話になったことは間違いありま
せん。
さて、そんなとき、しばしば困った場面に遭遇しました。
例えば「季節料理の店 太陽」という名前のお店があるとします(仮名です)。
私は調べようと思って“太陽”と入力して検索ボタンを押すわけですが、お察
しの通り、これではこのお店のホームページは見つけられません。一緒に地名
を入れてみたり、“季節料理”と入れてみたりして、一苦労です。
問題はもちろん、この「太陽」という一般的すぎる単語の店名にあります。
商品名や店名のユニークさは、もともと「人々の印象に残りやすい」という点
で重要でした。そして今、「ネット検索したときの見つけやすさ」という点で
も重要性が増しているように思います。
○よくある単語を単独で使用(太陽、LOVE、店主の名字のみ、など)
→検索結果が多すぎて、目的のものを探しにくい
○間にスペースを入れる必要がある単語の組み合わせなど
→検索時にそれぞれの単語の複合検索と認識されてしまう
○10文字を越えるような長いネーミング
→覚えにくく、入力ミスしやすい
などは、あまりインターネット時代には向かないネーミングなように思います。
そう考えると、例えば「Panasonic」や「SONY」などのメーカー名はユニークな
造語でありながら電気製品メーカーっぽいイメージはしっかりあって、よくで
きてるなぁと思います。逆に「SHARP」などは一般的な単語すぎて本当はネット
に向いていないメーカー名かもしれません。
商品名で言えば、三菱自動車の「i(アイ)」という車名なども、検索には不向
きだなぁと発売当時に思った記憶があります。まあ、今挙げたものはすべて大
きな企業ですので、実際にはばっちり検索上位に来るのですけれど。
ウェブ誘導型CMなども常識となり、インターネット経由のお客さんをしっかり
捕まえることは、ビジネスに不可欠な要素となっています。商品やお店のネー
ミングにも、ウェブでの展開を見据えた工夫が必要な気がします。
2007.04.25