[ニュースから読み解くWebマーケティング]
誰のためのウェブか
「技術者の幻想がプロジェクトを失敗に導く」という記事に、次のような記述
がありました。
「メディアが紹介する最新技術の本質を理解せずにプロジェクトに適用すると
破綻する。メディアが伝える言葉に踊らされず、その技術の意味や本質を捉え
ることが必要だ」
これを読んだ瞬間に、ウェブに関しても全く同じことが言えると感じました。
この手の話になるとFlashがやり玉に挙げられることが多いですが、Flashがす
べからく悪なのではなく、適材適所に用いることができないのが大きな問題だ
と思います。発注側からすれば「せっかく作るのだから」という思いが大きい
のはよく分かります。しかしそこで、本当にFlashでなくてはならないのか?
ということを考える必要があります。Flashが目的ではないのです。
ウェブを見て、購入、資料請求、問い合わせなどのアクションを取るのはお客
さんです。それは決して、見映えがいいからアクションする、のではないはず
です。あくまでも求めている情報があったから、です。求めている情報を探せ
たのは、使いやすいから、に他なりません。これはFlashに限りません。常に適
材適所を考え、ウェブ構築する必要があります。
「ここでどーんとアニメーションしましょう。インパクトありますよ!」と提
案される場合は、一度疑ってかかってみるべきでしょう。信頼に足るパートナー
とは、間違った道に進みそうになったときに「それは違います」と、きちんと
進言してくれる人たちだと思います。
・「技術者の幻想がプロジェクトを失敗に導く」
http://www.enatural.org/archives/001012.html
とあるBtoBブランド経営セミナーでは、企業の美学として「やらないことを決
めることが重要だ」という話があったそうです。やるべきこと、やってはいけ
ないことを決めるのは、先述した話に通じるものがあると思います。
あれもできる、これもできる、では、焦点がぼやけてしまうのです。得意分野
に資源を集中させるやり方は、ウェブ構築でも活かされます。
・ブランド作りは「相手の脳みそに刻印を押すこと」
http://www.enatural.org/archives/001008.html
そして「ショッピングカートが途中放棄される理由とは?」という調査では、
消費者がオンラインショッピングを途中で放棄する理由に関する調査結果が報
告されています。
-配送料、手数料などの追加費用や配送にかかる期間
-ショッピングサイトが要求する膨大な質問事項
これらが35%で最も大きな要因になっているということです。見込み顧客をウェ
ブまで誘導し、さらにショッピングカートにまで導いているのにこれは大きな
損失です。予め記載しておけば良いこと、聞かなくても良いこと、が損失を招
いています。お客さんの立場に立てば、すぐに分かることだったかもしれませ
ん。
「中断されるオンライントランザクションの推定額は2004年には630万ドルに上
ると見られている」
・ショッピングカートが途中放棄される理由とは?
http://www.enatural.org/archives/001007.html
このコラムで取り扱うニュースを収集しているblog「eNatural.org」がリニュー
アルしました。社名に併せたナチュラルテイストです。よろしければ是非一度、
ご覧ください。
http://www.enatural.org/
2004.03.24