[ネットで○○する時]
IE7が自動更新される時
あちらこちらで記事を見かけるのでご存じの方も多いと思いますが、マイクロ
ソフト社の最新ブラウザであるInternet Explorer(IE7)の自動更新がいよい
よ始まります。
Windows Internet Explorer 7: ホーム
http://www.microsoft.com/japan/windows/products/winfamily/ie/
自動更新がスタートするのが2008年2月13日、つまり本日です。このコラムを読
んでいるころには、すでにIE7をインストール済みという方もいらっしゃること
でしょう。
IE7自体は2006年11月にすでにリリースされていますが、いわゆるWindows Update
での配信ではなく、マイクロソフトのサイトから各自でダウンロードする必要
がありました。そのため、それほど導入が進んでいませんでした。弊社のお客
様のアクセス解析を見る限りでは、現状ではIE6とIE7は8:2程度の割合のようで
す。
13日以降、この比率は確実にIE7に傾いていくと思われますが、そうなった時
に、Webサイトを預かっている人間として注意して置かなくてはいけない点をい
くつかあげておきましょう。
まずは、ページレイアウトの崩れ。各ブラウザはHTMLという共通の言語を理解
して、ホームページを表示します。共通の言語なので、本来であればどのブラ
ウザで表示しても同じ結果になるはずですが、実際にはそうならないケースが
あります。なぜなら、各ブラウザには「方言」ともいうべき、HTMLの解釈の違
いがあるからです。
IE6とIE7の間においても、この「方言」の存在が確認されていますので、IE6で
はキチンと表示されていたが、IE7ではうまく表示されないというサイトも出て
くることが予想されます。致命的なレイアウト崩れは、閲覧者にうまく情報を
伝えられないことに繋がりますので、サイト管理者としては基本項目としてチェッ
クをしておきたいところです。
また、IE7ではいくつか新機能が搭載されますが、その中のひとつである「タブ
ブラウジング機能」は、その普及度合いによっては、今後のアクセス解析に影
響を与える可能性があると思っています。
タブブラウジング機能は、ちょうどEXCELのシートを切り替えるような感覚で、
一つのウィンドウの中で複数のホームページを同時に開いておくことを可能と
する機能です。Macintoshの標準ブラウザであるSafariなどをご利用の方には、
すでにおなじみの機能だと思います。
タブブラウズは、多くのページを同時に開いてそれらを見比べたり、あるペー
ジを開いたままにしておきつつ他のページの閲覧するといった場面での使い勝
手の向上に、多いに貢献する機能です。
一方で、たくさんのページを同時に開きやすくなれば1訪問あたりのページ閲覧
数が増加する傾向が見られたり、ページを開いたままの状態が増えれば見かけ
上のページ滞在時間も増えるというように、アクセス解析から得られる情報に
何らかの変化を与える可能性も考えられます。
また、タブブラウジング機能で一度にたくさんのページを開いたうえでページ
を閲覧するというスタイルが一般的になると、問い合わせをした人がそれまで
に閲覧したページをアクセス解析から割り出すこと(行動の解析)も、場合に
よっては難しくなるかもしれません。
タブブラウジングは、ブラウザをヘビーに使いこなす人向けの機能という側面
もあるので、アクセス解析の影響を与えるほどの一般的な機能として認知され
るかは未知数な部分もあります。
ただ、ページ閲覧数やページ滞在時間を何らかのマーケティング指標をとして
活用されているサイト管理者の方は、タブブラウジング機能の存在は頭の片隅
に置いておいたほうがよいでしょう。
2008.02.13