[目からウロコのインターネット活用術]
等身大のIT投資
CRM、SFA、SCM、EDI、ERPなどなど、アルファベット3文字が氾濫しています。
一見すると、NBA、NFL、MLBとほとんどかわりません。冗談はさておき、これら
をシステム化すると、経営や営業が効率的になるそうなのですが、はたして本
当でしょうか? 例えば、CRMシステム。CRMのシステム導入にあたって、社内全
員が「顧客といい関係を保っていこう」と心から思っていない限りは、システ
ムを導入したところで、所詮は絵に描いた餅。システムを入れる前に、思考を
理解しなければなりません。「CRMシステムを導入したら顧客といい関係を保て
る」のではなく、「顧客といい関係を保つための仕組みをシステム化する」そ
んな企業がきっとうまくいくでしょう。
近所の行きつけのバー、近所のパン屋さんなど、皆様も知らず知らずのうちに
頻繁に利用されているお店やサービスがあると思います。「どうして、そこを
利用しているんだろう?」と自分に問いかけてみれば、「気が利くから」「自
分のことをわかってくれるから」「気持ちがいいから」「便利だから」「価格
が安いから」と様々な答えが出てくると思います。それを自社の商品やサービ
スにあてはめて、顧客がどんな風に感じるかを考えてみましょう。費用がかか
らずにできる内容であれば、あえてお金をかけたシステムを導入する必要はあ
りませんし、自社の要望にちょうどいいASPやサービスがどこかで割安に提供さ
れているかもしれません。
あたり前の話ですが、膨大な金額の投資をしてシステムを投入しても、それを
利用してそれ以上の価値を生み出さなければ投資の判断としては、NOです。企
業の規模や要求内容に合わせて、等身大の投資をしていくのが望ましいのは言
うまでもありません。はじまりは「システム化しよう!」ではなく、「よりス
ピーディーに」「より便利に」「より機能的に」といった素朴なところからス
タートした方が、結局のところうまくいくことになりそうです。
そそのかされず、調子に乗らず、どこかのCMではありませんが「賢いご判断を!」
2001.08.08