[コレが気になる!]
営業コンテンツを網羅している会社はゼロ
最近コンテンツ企画の依頼を受けることが増えている。Webで何をどのように掲
載すべきか分からないというのである。ホームページを長く自社運営している
と自然とページ数も増えてきて、情報も充実してきている様に見えるのだが、
逆に多すぎてどこを見たらいいのか分からないということが多いのであろう。
今回とあるお客さんに提案するにあたり、その業界のホームページでの情報提
供量を調査した。調査するのはサービスを紹介するページである。たいていの
会社は複数の商材を扱っているので、一つのサイトに複数のサービス紹介を掲
載している。その紹介ページが情報として何を提供しているかを調べてみたの
だ。調査するにあたりページの種類と目的を明確化させ、○×をつけていった。
対象としたのはとYahoo!に掲載されているBtoBのあるサービスを提供する業界
15社のホームページである(そのうち上場企業は5社)。
ページの種類分けは下記のようにした。
┏━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ページの種類 ┃ページの目的 ┃
┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃概要 ┃商品の存在を知らせる ┃
┠────────╂──────────────────────┨
┃仕様詳細 ┃ニーズの適合性を判断させる ┃
┃事例 ┃ ┃
┠────────╂──────────────────────┨
┃実績 ┃信頼性の証明 ┃
┃Q&A ┃他社との差別化 ┃
┃比較表 ┃別の視点による気付きを与える ┃
┃技術資料 ┃ ┃
┠────────╂──────────────────────┨
┃フロー・進め方 ┃具体的に購入を意識した際の情報を提供 ┃
┃価格 ┃ ┃
┠────────╂──────────────────────┨
┃問い合わせ ┃アプローチ窓口 ┃
┗━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
分類にあたり、営業的視点から見込顧客が問い合わせてくるまでのフェーズを
思い浮かべてみる。BtoBであるため、個人の欲ではなく仕事としてニーズがあ
り、そのサービスを受ける為の情報を探している。検索エンジンを使い、自分
が想定しているキーワードからページにたどり着くここで閲覧されるのは
【概要】ページである。まずはこの【概要】でふるいにかけられる。その後
【仕様詳細】ページを閲覧し、ニーズとの適合性を検証する。また、オーバー
スペックでないか【事例】を見て、ニーズと規模があっているかを把握する。
その後はそのサービスの特色や信頼性を把握し、実際に導入してもいいかを判
断する。実際に導入を意識したした場合は、【導入までのフロー】や【価格】
の情報が必要になる。ここまで来て初めて問い合わせへと移るのである。当然
その後リアルな商談に移り、さらに話を詰める訳だが、上記を把握して問い合
わせしてきた人は受注率もかなり高い状態になっているはずである。
ただしあくまで上記は理想である。実際今回確認した15社で全てのコンテンツ
を網羅している会社はゼロであった。営業マンであれば当たり前の様に行って
いるフローをホームページでは提供できていないのだ。営業マンであれば見込
顧客が得たいと思う情報を商談の中から把握して必要なものを提示する。しか
しホームページはあらゆる状態の顧客のニーズを満たして情報を提供しなけれ
ばならない為、情報の分類と表示の仕方が非常に重要になってくる。決してす
べての社内商材情報を公開する必要はないが、案件が顕在化した時点で商談を
したいと思わせる情報は公開すべきであると思える。その点から見て、今回の
ゼロ社という数字は意外であった。
皆さんも競合サイトと自社サイトを比較しコンテンツで差別化、問い合わせの
きっかけを与えているか確認してみてはいかがだろうか。自社サイトの新たな
一面が見えるかもしれない。またコンテンツ毎にページ分けしてアクセス解析
を行うとサイトの最適化への近道となることは確実であろう。
2003.03.12