[ホームページを「できる営業マン」にする方法]
ブログが壊れた日
これは、あるWebディレクターに襲いかかった突然のピンチと、そ
れを克服し再び光を見るまでの、戦いの記録である。(一部脚色)
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●2010年2月X日 13:00 / それは突然やってきた
WebディレクターのTさんは、その日もいつもの通りお客様のホーム
ページのメンテナンスを行っていました。
そのホームページは、サイト全体がブログで構築されていました。
最近では、サイトがブログで構築されているサイトは珍しくありま
せんが、その日メンテナンスをしていたサイトは少々事情が異なっ
ていました。
そのサイトは、他の制作会社が設計・構築したブログを、とある事
情でTさんの会社が後を引き継ぐ形でメンテナンスをしていたので
す。
ブログの動作ログに、いくつかのバグが残っており、その日はその
バグ潰しがTさんの作業でした。
作業を進める中で、Tさんはサーバー内にブログソフトウェアの動
作に不必要と思われるファイルをいくつか発見しました。ブログの
エラーログと比較しても、このファイルが原因であることはほぼ間
違いないようです。
Tさんがサーバーから不要ファイルを削除し、ブログの動作確認を
したときに、それは起こりました。
エラーメッセージが表示され、ブログへのログインが一切出来なく
なってしまったのです。
●2010年2月X日 14:30 / 救世主の名は「バックアップ」
100%に近い自信を持って作業をしていたTさんは、不覚にも不要と
思われるファイルのバックアップを取っていませんでした。まずは
お客様に事の顛末をご連絡をして、Tさんは善後策の検討に当たり
ました。
不要ファイルのバックアップは取っていなかったTさんですが、幸
いにもメンテナンス作業前に、ブログデータのバックアップは取っ
ていました。
Tさんは、動作しなくなってしまったブログソフトウェアの復旧を
諦め、サーバーに新たにブログソフトウェアをインストールし、バッ
クアップしたブログデータをインポートすることで、事態の打開を
図りました。
●2010年2月X日 16:00 / 最後の敵は「偽りの仕様書」
元々の制作会社から渡された仕様書を元に、Tさんはブログの復旧
を試みます。幸いにも、ブログデータのインポートも問題無く成功
し、ブログへのログインが出来る状態まで復旧しました。
しかし、何かの記事を更新しようとすると再びエラーが発生!
おかしい、仕様書通りにブログの設置を行っているはずなのに…
Tさんは、ブログの設計図とも言える「テンプレート」を、ひとつ
ずつチェックしていきました。すると、明らかに必要と思われるプ
ラグイン(ブログの機能を強化する追加ファイル)が、仕様書には
記載されていないことが判明。
Tさんは必要なプラグインを改めて導入し、ここに晴れてすべての
機能が復旧しました。時計の針は、17:30。長いようで短かった4時
間半でした。
その日の夜、Tさんが飲んだビールは格別の美味しさだったことは、
言うまでもありません。
THE END
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不要なファイルと言えど、バックアップを取らずにファイルを削除
してしまったのはTさんの落ち度ですね。ここは、猛省いただきた
いところです。
しかし、このエピソードからは日々のバックアップの大切さを学ぶ
ことが出来ます。特にブログの場合は更新が便利な一方で、データ
が飛んでしまうときは、全てが一瞬というケースが考えられるので、
バックアップの重要性はより高いと言えるでしょう。
また、社内にしっかりとした仕様書が存在することも重要です。T
さんのケースのように、そもそもの仕様書に誤りがあると、不具合
修正やサーバー移転の際に、思わぬトラブルに繋がりかねません。
私も同じTという頭文字を持つWebディレクターとして、このエピソー
ドを他山の石として、今後のWebディレクター道に活かしていきた
いと思っております。
2010.03.10