[ホームページを「できる営業マン」にする方法]
「持たない」という選択
前回のコラムでは、ホームページを営業マンとして活用するうえで
は、情報の出し惜しみはすべきではないと述べてきました。
一方で、ネットの世界では情報を発信するだけでなく、「受信」す
る機会も多いはずです。大抵のホームページには、お問い合わせフォ
ームが設置されていて、顧客から問い合わせを受け付けられるよう
になっているでしょう。
では、自社の情報を積極的に発信するように、顧客の情報もあます
ことなく取得したほうが良いかと言えば、そうとも言い切れません。
例えば前述のお問い合わせフォームですが、作り手の思いが先行し
て、アレもコレもと記入項目が増えてしまうケースに、実際の制作
の現場でしばしば遭遇します。しかし、よくよく検討してみると、
どの項目も取りあえず聞いてみたい程度で、取得した情報を社内で
如何に活用するかまで気が回っていないことがあります。
また、情報を顧客から得るということは、相応の理由や互いのメリッ
トが存在するという前提条件が必要なはずですが、それがないがし
ろになっていたこともありました。
その情報は本当に必要な内容で、かつ社内で活用する下地が整って
いるか、十分に検討することが必要と言えます。
また顧客から取得した情報には、それを適切に管理する責任がとも
ないます。ここ数年、個人情報流出の事件を目にすることは珍しく
なくなりました。顧客から情報を取得することは、このような流出
のリスクも同時に抱え込むことになると考えたほうが良いでしょう。
そう考えると、例えばクレジットカード番号などの重要度の高い情
報は自社内には持たずに、専門の外部サービスなどを利用するとい
う方法も出てくるはずです。
顧客からは、あえて情報を取得しない。「持たない」という選択肢
は、場合によっては検討する必要があるでしょう。
2009.06.10