[ホームページを「できる営業マン」にする方法]
「選択と集中」の次の手は、「分散」?
経営関連の言葉として、「選択と集中」をご存じかと思います。簡単に言えば、
数ある事業の中から競争力のある事業を「選択」して、人や資金などを「集中」
させることで、勝てる経営をしていこうという話です。ちょうど、バブル期に
よく聞いた「多角化」と相対するものになりますでしょうか。
さて、この「選択と集中」ですが、経営だけでなくサイト運営においてもうま
く利用できそうです。数ある自社事業の中から競争力のあるサイトを構築する
ための事業や商品を「選択」し、特定商品やサービスの専門サイトにするなど
して人や情報などの自社資源を「集中」させるイメージとでもなりましょうか。
例えば、数ある自社事業の中から「SFA」という営業支援システム販売事業を
「選択」した会社があり、「SFA.com」という専門サイトに「集中」したとしま
しょう。ページタイトルは「SFAユーザーのためのSFA専門サイト SFA.com」と
でもしましょうか。いくら「集中」といっても、人の情報ニーズは非常に幅広
く「SFA」という単語を連呼しただけでは、なかなか勝てるサイトにはなりませ
ん。
では、「集中」したことでサイト運営がうまくいっている会社のサイトのアク
セス解析結果はどのようなものになっているでしょうか、少しのぞいてみてみ
ましょう。検索エンジンからアクセスされた際の利用キーワードの一覧です。
実は「集中」といっても、キーワード「SFA」単体での検索ばかりされるわけで
はなく、様々な複数キーワードに「分散」しているのです。アクセス解析結果
の例としては、次のようになるでしょうか。
-----------------------------------------------------------------
SFA |||||||||||||||||||
SFA パッケージ |||||||||| (↓実は、単語+αが多い)
SFA システム |||||||| ↓
SFA 導入 ||||||| ↓
SFA ソリューション |||||| ↓
SFA シェア ||||| ↓
SFA セミナー ||||| ↓
SFA コンサルタント |||| ↓
SFA ソフト |||| ↓
SFA 比較 ||| ↓
SFA 用語 || ↓
SFA 研修 | ↓
-----------------------------------------------------------------
※実際のデータを、一部加工修正して掲載しています
見事に、キーワード「SFA」関連での来訪が「分散」していますね。サイト全体
では「選択の集中」で何のサイトなのかを人にも検索エンジンにも明確にし、
サイト内部のページ単位でみると各キーワードがうまく「分散」している結果
です。いくらサイトで「集中」するといっても、キーワード○○で連呼すると
いった単純な話ではなく、「○○+△△」「○○+価格」「○○+導入」など
といった複数キーワードに対応する必要があるのです。
考えてみればあたりまえのことですが、人の情報ニーズは実に幅広く、どのよ
うな事業や商品でも、メインキーワード単体での検索を筆頭に、幅広く「分散」
することが多いでしょう。次のような組み合わせを、考えられます。
「メインキーワード」
「メインキーワード」+「エリア名」
「メインキーワード」+「旬のテーマ」
「メインキーワード」+「ソフト・通販などといった販売形態」
「メインキーワード」+「比較、シェア、価格、用語、etc.」
「選択と集中」でサイトを構築するのは良いのですが、構築が終わったら終了
ではなく、幅広いユーザーニーズをとらえるためにも、キーワードをうまく
「分散」させてページを追加更新していく必要があります。そのためにも、ブ
ログなどを積極的にサイト管理に活用して、自社内の担当者自らが「商品情報」
「コラム」「用語集」「FAQ」「ニュース」など、キーワードを「分散」させな
がらページを追加更新していく必要があるのです。
逆に、「メインキーワード」+「東京」、「メインキーワード」+「価格」と
いったように個別のページを加えることで、サイト全体でみれば「分散」でも、
ページ単位でみれば「集中」している、というのが人にも検索エンジンにもわ
かりやすい!ここがツボでしょうか。
「選択と集中」してますか?、そして「分散」させてますか?
2007.07.25