[イーナチュラルな人々]
年の瀬のレストランにて
昨年末、仕事帰りに妻と食事に出かけました。
入ったのは鉄板焼きのお店で、すごい高級店ではありませんが、
かといってファミレスレベルでもない、そんなお店でした。
店内はさほど混み合っていませんでしたが、
ホール担当は、いかにも「初めてです」という感じの、
大学生くらいのアルバイトの男の子。
初めて入店したので、メニュー内容について質問するも、
彼自身もよく分かっていないことも多く、客観的にみて接客は
たどたどしかったです。
ただ、「めんどくせいこと聞きやがって」的な態度は一切なく、
客の要望に応えようという姿勢は随所から感じとれたので、
特に気分を害することもありませんでした。
さて食事も済んでお会計をお願いし、テーブルで伝票を受け取ると
そこには6,000円ちょっとの金額が記載されていました。
受け取った瞬間、これはおかしいと思いました。
なぜなら、我々は明らかに6,000円以上の注文をしているからです。
察するに、最後に追加注文したサイコロステーキのオーダーが
入っていない様子です。
「これはラッキー、しめしめごちそうさま!」とそのまま会計を
済ませて店を立ち去ることも出来ましたが、それは一生懸命に
接客してくれた彼の働きに泥を塗るようで、なんだかすごく
申し訳ないことに感じたのです。
請求の誤りを指摘したところ、アルバイトの彼は怪訝な顔を
していました。まぁ、自分の支払い金額が増える指摘をする客は
珍しいでしょう。
このことが、彼自身に直接的な何かを与えるわけではありませんが、
一生懸命であれば、この東京砂漠にも何かを感じる人もいるよと
伝えたかったのかもしれません。古いですね、東京砂漠。
伝わってるか分からないし、
大部分が私の自己満足なのは百も承知ですし、
改めて文章にすると「弱ってたのかな、俺」と思ったりしますが、
あの彼の中に何か残ればいいなと思います。
さて、この彼に負けず劣らず、
私も、それはもう身を粉にして一生懸命に働いておりますので、
みなさまにおかれましては、くれぐれもよろしくお願いいたします。
2018.01.24