[イーナチュラルな人々]
その人らしさというのは、余分なものからにじみでる。
私が好きな脚本家に、木皿泉という方がいます。
ご夫婦の共同ペンネームなので「方たち」が正しいでしょうか。
「すいか」や「野ブタ。をプロデュース」といったドラマを
手がけています。
彼らの脚本の特徴として、他の脚本家なら省いてしまいそうな
一見何でもないシーンが多く登場することが挙げられます。
最近読んだ、彼らの著書「二度寝で番茶」の中に、
その意図を彷彿とさせるこんな言葉がありました。
「その人らしさというのは、余分なものからにじみでますからね。」
なるほど、確かにそうかもしれません。
例えば、私のスマホのホーム画面には頻繁に使用するメールアプリ
やソーシャル系アプリに混じって、「TVGuide」という番組表アプリ
が鎮座しています。これは私らしさな気がします。
我々がWebサイトを制作するとき、
クライアントに「無駄なもの」を提案することはありません。
できる限り、目に見えて成果に結びつく施策をご提案します。
しかし、ときどきお客様の強い要望で、直接成果に繋がりにくい
それほど優先順位の高くないコンテンツを製作することもあります。
そんなとき、一応「それは成果に結びつきにくいですよ」と
アドバイスさせていただくのですが、もしかしたら、
そんなところにこそ「その会社らしさ」が出るのかもしれませんね。
「アクセス解析には表れない良さ」というものもあるのかも、
と最近は思い直しています。
2011.10.12